International Association of Music Libraries, Archives and Documentation Centres
Japanese Branch

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ニューズレター第25号
August. 2005

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2004年IAML-IASA 国際会議(於:オスロ)報告
 

OSLO CONGRESS とその後

藤堂 雍子(前桐朋学園大学図書館)

 会議の始まる数日前にオスロに到着し、ムンクや 18 世紀の自然主義絵画(風景画は北欧特有の透明感があり佳作も多い)を見て歩いた。クールベのベルリオーズ肖像画を国立美術館で見つけたのは収穫だった。神経症と闘いながら描いたムンクの絵やドキュメントは、ヨーロッパの中心ではなかった北欧文化人の屈折と心理を表出しているようでもあった。北欧本来の夏の涼はなく異例の暑さだったが、物価が高い以外は快適な数日を終え、オスロ大学新キャンパス内の寮に移動。

 8月8日(日)10 時過ぎからカウンシル・ミーティングに出席。この1年の活動報告に続き、総会やクロージング・セッションなどの運営について意見聴取。スリムで効率よく全員が参加できるための方法を協議。大会プログラム委員会座長が、P. トンプソン(英ローヤルカレッジ)から、J. カッサロ(米ピッツバーグ大学)に変わることも大きな出来事。旧共産圏の崩壊後、東欧圏の音楽遺産へのアプローチと近代化への手助けがクローズアップされてきた昨今だが、今後は IT 時代に即し、スピーディな行動力が期待される。若手のアッピールが反映された結果でもあろう。出版広報関係も同様。機関誌 Fontes の刊行の遅滞は解消されていないが、その編集長が職場移動(英オックスフォードから米イリノイ大学へ)に伴い編集の続行不能の意思表示。 新たに編集長を募集していることが、電子ニューズレターや掲示板でも最近知られるところとなった。その電子ニューズレターは、IRCAM のM. フィンガーフットが編集担当で、これまでの事務長による機関ニューズレターの領域を越えたヴィヴィッドな内容となっている。これは、IAML 内から送付される原稿量が少なく、編集者自身の判断で外から収集した情報を盛り込んでいる結果でもある。評判も悪くない一方、IAML HP へのリンク処理が遅れがちで、イタリアの若き Web マスターから電子掲示板でクレームが入るなど、チームワークがまだ一定していない。 長期勤めた事務長A. オール(オタワ大学)から新事務長(ニュージーランド国立図書館)に昨年交代があったばかりなので、新しい役員たちが自身のテリトリーを模索しているようにも見える。新会長は予定通り、元 Web マスターの M. ジャンティルテデッキが就任、会長補佐は、先のJ. カッサロ、D. アウスファッテル、R. ヘレン、F. リバが選出された。EU 諸国と USA が牽引して、新しい時代に立ち向かう構えと理解できるが、役員のほか全員がかかわる総会や、クロージング・セッションなどの全体との位置付けについてはワルシャワ会議でも大きな議題となることが予定されている。この数年で IAML は大きく転換するように思われる。ただ参加することも楽しいが、日本も問題意識を持って参加することが当然求められている。 午後は各国支部の報告(従来カウンシル・ミーティングの中で行われ、クロージング・セッションで事務長がそのレジメを報告してきたが、今回は重複を避け、オリジナル・ペーパーが電子ニューズレターで公開されているので詳細はno. 14 を参照されたい)。

 オープニングは夕刻からオスロ大学図書館のガラス張りのメイン・ロビーで日差しを浴びながら始まった。

 9日(月)初日冒頭のセッションは昨年から定例化されたインフォメーション・セッション。IAML 全体に関わるニューズ。㈰ マドリッド・アルベニス財団 Harmos プロジェクトは、音楽教育プログラムをヴァーチャル・イントラネットで展開する試みの紹介。これは英国ほかも協力パートナーとなっている。㈪ 昨年の音楽教育機関図書館部会の「現代音楽」をテーマとしたセッションでオーストリア MIC が自国の情報センターの領域を越えて現代音楽セミナーを準備し、若き作曲家たちに提供していることが明らかになった。その時のスピーカーB. ガンサーが最新の情報テクノロジーの提供、マルチメディアを駆使するスキルの促進、質向上の助長を積極的に進めるプログラム MusicNetWork について言及。IRCAM オーストリア版といったところ。㈫ フランス国立図書館のS. ゴデラスによる「音楽目録 BN Opaline の新機軸と変化」はBN-Opale plus(図書、逐次刊行物、マルチメディア・ドキュメント。音楽図書や音楽雑誌もここに含まれる)とBN-Opaline(非図書資料:楽譜、地図、映画、写真、マニュスクリプトなどの目録を収録、ここでは楽譜目録に言及)の近未来計画の開示。BN の OPAC の構成はあまり一般的でない。やっと楽譜の OPAC に行きついても書誌レコード数はまだ少ない。未だに多くをパレ・ロワイヤルに近い音楽部門まで赴いて、手書きのカード目録を繰るか、マイクロフィルム化された市販のカード目録(日本では上野学園図書館のみ所蔵)に当たるしかない(冊子収書目録楽譜版の刊行開始 1992 年以降の印刷楽譜は、Opaline 上で検索可能。2004 年 12 月現在 17 万余書誌レコード)。新着楽譜はともかく、納本された過去の 90 万枚を超えるカード目録の遡及は、2005 年試験期間を経て 2007 年以降〜 2010 年までを目途としている。また「音楽院目録」と称される貴重な近代作曲家たちのマニュスクリプトを含む印刷楽譜目録カード 42 万枚の遡及もまだ始まったばかり。全部デジタル化するまでにはあと8 年はかかると目論まれている。これら非図書資料が BN-Opaline plus に変換され一本化することは 2007 年計画に委ねられている、とも報告された。ともあれ計画が公開されたことは目出度い。BN の目録は書誌記述(特に注記)のレヴェルが高く信頼に足るものだが、「慎重さ」と「スピード」の歩調は合わない。他に ㈬ ニュージーランド国立図書館の音楽部門主任であり、IAML 事務長のR. フリューリが自国の音楽資料について。㈭ インディアナ大学のM. W. ディヴィッドソンは、コロンビア大学のE. ディヴィスに代わり、出版楽譜集やシリーズ楽譜の索引化について言及。

 午前の後半は、書誌委員会による「書誌への国レヴェルでのアプローチ」と題されたセッション。㈰ グリーク書誌(オスロ国立図書館O. ノルドハイム)について、作曲家生存時の最初の作品目録 (1885)、Dan Fog による作品書誌(1927)、Peters 版作品全集最終巻に収められている作品目録 (1995) を中心に、その経緯の解題(グリーグ・コレクションはベルゲン市立図書館に自筆楽譜も含めて所蔵され、Web でその一部を画像公開している)。スピーカーは最新作品目録編纂者のひとり。 ㈪ つい先頃政権樹立を果たし(2004年12月)EU 加盟に歩を進めたウクライナの全国書誌への言及(恐らく初めて登場)。古くはドイツの市場目録に 1564 年に現れた音楽文献、17 世紀の音楽出版物カタログ、18 世紀のラズモフスキー音楽コレクションやN. ペトロフの東方正教会のマニュスクリプト楽譜コレクションなどが主要な音楽資料群であるなどの歴史。現在 UkrMARC に沿った標準目録が、作曲者・著者の国籍を問わずデータ化され、資料は国立音楽学校に所蔵されている。一方でウクライナ独自の音楽遺産の研究とデータ蓄積も始まっており、両者の相互の進展が目下の課題。㈫ エストニア音楽書誌の進展(国立図書館K. リサル報告)多岐にわたり、ここでは詳述を避けるが、18 世紀後半以後の書誌の歴史に繋げて 1997 年に国立図書館が全国書誌として編纂、収斂。㈬ リトアニアも 17 世紀以降音楽文献の記録が見られ、旧領主図書館蔵書、販売カタログ、ヴィリュニス・アカデミー蔵書等を基礎とした「リトアニア書誌  1547ミ1910 /  V. Birziska による編纂」に端を発し、網羅性をめざした書誌が登場している。大戦後国立図書館が全国書誌として年刊発行(音楽資料が収録対象になったのは 1992 年以降でデジタル遡及が始まった後)。

 午後は、著作権委員会による「著作権の今」がテーマ。㈰ ノルウェー国立図書館の著作権担当者による「ノルウェーにおける著作権:楽譜と録音資料の法の可能性と制限」の報告。2004 年の法修正が音楽図書館にとって有利とはいえない点などに触れ、実用実態のアッピールも必要と言及。㈪ 「EBLIDA(欧州図書館・情報・ ドキュメンテーション協会連合)と最新著作権問題」。EU 内での御意見番の役割を担っていると自負しているが、図書館のための著作権例外は、国によって異なり、Harmonize に欠落があるなど。㈫ L. コーラルによる「米国の音楽資料著作権最新情報」。

 夕方にはオスロ・フィヨルドを望む市庁舎内見学とレセプション、アジアから韓国籍(オスロには韓国人が多い)の IASA メンバーや北京中央音楽院からの2人のライブラリアンと出会う。G. ジーとはバークレイ以来の再会。

 10日(火)はノルウェーを知るためのセッション(全員出席が建て前の)が休憩を入れて午前中にあった。㈰ まず今大会の名誉職にある国際人作曲家A. ノルドハイムの人と音楽の紹介。㈪ 火災で損傷を受けた 20 世紀作曲家G. トゥヴァイトの自筆楽譜の復元とその演奏について、ベルゲン芸術博物館の紙の専門学芸員と修復責任の立場にあった作曲家が共同発表。㈫ ノルウェーのサミ民族(かつてはラップと呼称)のヨイクと呼ばれる独自のモノトーンの声楽様式を実演付きで紹介。㈬ オスロ大学から複数の異種アーカイヴ(ダンス、民俗歌曲、放送局、大学、国立)が、民俗音楽素材の堀り起こしと録音化に協同していることの紹介。午後は、サーヴィスとトレーニング委員会の「マルチメディア世代におけるトレーニング」。㈰ インディアナ大学でのデジタル・ミュージック・ライブラリー・サーヴィス Variation2 の実践報告。教師が授業に使用する楽譜や録音資料を図書館資料から指定し、PC 経由で学生が活用できるシステム。費用と著作権が課題と指摘もあったが、先進性のある実験版として紹介。㈪ スイスの IASA メンバーが、AV 資料アーカイヴにおけるトレーニングのための国際概念についての提議。

 寮の中庭でノルウェーの夕べが催され、民俗舞踊と軽くて飲み心地満点の生ビール、蒸しエビなどが供された。この時とばかり同行の家族たちも集まって食し、興じ、踊りに加わり、その間にも情報・意見交換するのが IAML 流儀だ。

 11日(水)の目録委員会「ヴァーチャル国際典拠ファイルとシソーラス」は、未来志向を意識したセッション。㈰ OCLC から「国際典拠ファイル」に向け、LC とドイツ図書館の著者名典拠ファイルを基盤に準備しているプロジェクト(http://www.oclc.org/research/projects/viaf/default.htm)VIAFの紹介。L. コーラル(カード目録からコンピュータ目録へのリーダーシップを発揮した)は、著者名典拠が著者名だけでなく Uniform Title まで及ばない限り音楽資料典拠として不十分であることなどを挙げ、闊達に助言を述べていた。目録の世界は常に限りがなく、その時代のスタンダードが赴く方向を知り、資料と音楽資料ユーザーの仲介者である立場を堅持する責務をもっている。㈪ 新会長のM. ジャンティルテデッキは、オンライン共同シソーラスの開発について、昨年の LC 目録開発部門が先鞭をつけた形の『書誌レコードの機能要件 FRBR』を視野に入れながら、RILM ほかの R-Project のシソーラスをも対象範囲としたビジョンを表明した。若手カタロガーや、メタ・データに関わるテクノロジーに関心を持つドキュメンタリストには、目録とその検索に意味論的な解析を持ち込む方法が評価され、多くの賛意や進展を期待する意見が表明された。一方、概念や属性が現在の書誌記述項目にどのように合致し、機能するかについて、目録作成側と利用者側の接点が実態として見えにくく、資料対象が多様な書誌レヴェルにも及ぶため直ちに判断するには至らない、という状況に見えた(注 1)。

 音楽教育機関図書館部会の第1セッションは、「音楽院のためのネットワーク過去と現在」。㈰ パリ音楽院のD. アウスファッテルによる「音楽院ライブラリアンとしてのベルリオーズ」。既に「幻想交響曲」「レクイエム」を発表し、「デバ」誌への評論活動を旺盛に始めていた 1839 年、35 才で音楽院図書館(主事補、所謂 bibliothecaire)に任命され、1847 年には主事(conservateur)に昇格している。革命後の音楽院図書館は、音楽院の学期中、市民にも公開されていた。貸出はしないが、書き写すこと(copy)は許され、これは 2003 年現在と状況が同じであると注釈された。収書は厳格な方針に沿っており、ドイツの古典作曲家全集などを揃え、19 世紀まで近代的な意味での目録整備はされていなかったが保管状況の記録は残されていた、などが紹介された。名にふさわしいメディアテークの報告で、発表者のオリジナルはいつか翻訳したいみたいと思っている(注 2)。㈪ 北欧(フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、アイスランド)の音楽学校ネットワークの概要と個々の音楽が学校の案内。アイスランド1校、フィンランド9校、他は各6校を擁し、大学学部も含めた北欧音楽学校会議は隔年で開催され、経営、教育レヴェルでの連携がある。図書館ネットワークもその中でテーブルに載っている。各々ホームページを備え、ISMIR(注 3)会議ペーパーに関連サイト(http://ismir2003.ismir. net/papers/Lemstrom.pdf)もあるので参照されたい。

 午後はバスでドロバック、オスロ南西部方面に向けて恒例の遠足。彫刻家の工房を一巡した後、オスロ・フィヨルドの入り組んだ海辺の小さな町を訪れた。

 12日(木)著作権作業委員会は、各国支部宛に配布したアンケートを回収し、Web サイトに結果を集約して公表することが今年前半の仕事であった。日本支部は MLAJ 著作権委員会座長の市川啓子(国立音大)さんに回答案をお願いし、これを支部役員会数名で内容、英語をチェックという過程を経た。関係者のご協力に委員会メンバーの一人として感謝と御礼を申し上げる。各国の法とその解釈の実際を並列し、EU ディレクティヴ作成者へのアッピールを目論んでいる。表現の在り方について丹念に文章整理をする作業委員会。国際的な立場での「表明」の形を積み上げていった結果は、著作権委員会のサイト(http://www.iaml. info/copyright_questionnaire.php:アンケート結果)でご覧いただきたい。MLAJ が著作権トピックスのサイトをもっていることを話すと、座長から英訳してくれないかとの声もあったが、これは支部と MLAJ 著作権委員会メンバーにご相談したいと思っている。

 AV資料委員会とIASAの合同セッション「音の収集」。IASA との久々の合同セッション。㈰ ノルウェー録音資料研究所における作曲家A. ドルムスガルド・コレクションが録音資料アーカイヴになる過程。㈪ モスクワ音楽院の実技講座や学内コンサートなどのユニーク録音(1940ミ1990) を擁するアーカイヴの紹介。学内再利用に供する目的で蓄積され、1990 年代末にフォード財団の補助を受け保存に着手。ラボがアーカイヴとなり、マルチメディアによる蓄積と保存に取り組んでいる。㈫ IRCAMの作品インチピット付き音楽情報検索システム構築の進め方を、マルチメディア・テクノロジーと意味論との関係を解析したフロー・チャートで示し、ISMIR(注 3)の活動を PR。図書だけではないマルチメディアを介在させた現代の資料の世界は、実は今まで特殊資料と位置づけられてきた音楽資料がむしろ近づき、それが一般化するということでもある。午後の3年ぶりの総会は、2001 年以降の役員会、各委員会の活動総括報告、New Grove  新版出版社がOxford UP に変わり、IAML を含む関係学会と緊密な連携編集体制を取ること、訃報へのメッセージ、規約改訂報告、2004 年度選挙報告承認など。既にJ. ロバーツの覚書きが HP で公開されているので、ここでは割愛する(http://www.iaml.info/governance.php#Assembly)。

 夕方からアーケシュフース城に近い館でノルウェー MIC主催のコンサート。フィードルやトランペット・ソロの現代音楽、グリーグの少女による合唱作品、北欧ジャズの粋、などを聴くことができた。突然の夕立が夏の終わりを告げるような涼しさを呼びこんだ夜だった。

 13日(金)カウンシル・ミーティング2は、RILM 委員会にCh. バンクス(英国図書館)とW. クリューガー(独Media図書館専門学校)が新たに加わること、RISM 東欧版について、アウトリーチ報告(これはあくまで他国支援。自国の新人支援はアウトリーチとは位置づけらない。つまり日本支部の会議参加補助は外国に向けられて初めてアウトリーチとなる。R. ヘレンは日本の報告が今年はないと残念がっていた)、部会・委員会の座長・副座長・事務長の次年度改選について、複数国支部(今までの単一国に加え、近隣複数国を指す)の承認と規約改正、来年以降の大会開催地予定(2009 アムステルダム、 2010 モスクワ、2011 ダブリン、2012 デンマーク・オーフスが新参入)、等がテーブルに載る。

 午後の音楽教育機関図書館部会は書誌委員会との合同で「演奏家のための書誌」がテーマ。オーケストラや室内楽書誌を学生にツールとして如何に提供しているか、書誌解題や考え方を中心にパネラーたちが述べあった。シラバスを作りセミナーを定期的に設けているジュリアードや、パンフレットを配備している学校など様々だが、対象が音楽学専攻ではなく、近い将来演奏家となる年若い実技の学生であるので、実用に則し、学術的に過ぎる複雑な書誌を対象とはしないことなど、導入への how to が話題となった。多くのパネリストが授業としてこの役割を担っている。来年は、「合唱音楽と教育機関図書館」がテーマで、北欧、英国の事例と、合唱実用譜などを手がけているアンコール社が発表予定。

 クロージング・セッションは参加できなかったセッションのトピックスを聴けるチャンスである。RIdIM は、2004 年 12 月にフランス美術史研究所で座長V. ハインツの下に委員会開催予定、中国、全アフリカ、アイルランド、ハンガリー、ロシアが RILM 支部に向けて始動。RIPM は NISC/OCLC と提携、IASA とのワーキング・グループを来年新設する、などが報告された。

 フェアウェル・ディナーは大学生協のイヴェント会場でカジュアルに、しかし海の幸の前菜、森の幸とメニューに書かれた鹿肉のローストと赤ワイン、キノコのリゾットは秀逸だった。来年(2005年7月)のワルシャワが楽しみ、と話題が賑わった。近代化を強調したいポーランドとショパンや古都が楽しみな参加者、どうなることか?

 私の9年間の音楽教育機関図書館部会副座長の任はワルシャワで終わる。2期目を希望する座長のほかは任期満了。立候補追加はまだ可能だが、12 月現在既に複数有力候補が名乗り出ている。著作権委員会はメンバーとしてしばらくは残ることになろう。

 翌14日(土)早朝、ベルゲンへのポストコンフェランス・ツァー。ベルゲンは、ハンザ同盟の町で、多くの作曲家や創作に関わる芸術家たちが好んでこの町に住んできたことを偲び、今も音楽祭やレジデンツを作曲家に提供している(昨年は権代敦彦氏が滞在、新作初演)。 気っぷの良いベルゲン公共図書館のライブラリアンがガイドを引き受けてくれたので、気持ちの良い旅ができた。(2005 年 2 月記)


1   今年1月末になって Amadeus (Authority Music Archive Description for Effective Universal Search) プロジェクトの概要が電子掲示板を通じて  公開され、独自の掲示板も設けられた。関心のある方はこの掲示板への登録をお勧めする。

2    Hector Berlioz fonctionnaire / Dominique Hausfater (Berlioz 2003/ Conservatoire national superieur de musique et de danse de Paris)  2003,    ISBN: 2 912541026.
3   ISMIR: International Symposium on Music Information Retrieval  2000 年以降年1回シンポジウム開催。インディアナ大学 Donald Byrd  や      IRCAM の M. Fingerhut、また今大会登場したモントリオール在住の日本人 I. Fujinaga 氏の名前も運営委員会リストに挙がっている。これまで米   国東部(3回)、パリ、バルセロナで、来年9月はロンドンで開催。音楽デジタル情報検索最先端の情報入手可能。Google で ISMIR 検索をお薦め   する。